令和7年度 瑞陵会・講演会要旨

演題】今、あなたにできること〜AEDがつなぐいのち〜

一般財団法人 2005年日本国際博覧会記念災害救急医療研究財団
特定非営利活動法人 大阪ライフサポート協会
牛田尊 氏(34回・昭和57年3月卒)

【講師経歴】瑞陵高校→東京理科大学→日本ガイシ株式会社→牛田電気設備設計事務所を設立。数々のテーマパークや愛知万博の設計に携わるなか、2005年6月1日愛知万博の会場で、突然心室細動を発症し倒れたところを、AEDにより救命される。その後、後遺症もなく社会復帰し、AEDの普及を進めるために講演会を始める。最近は市民の立場から、救急医療体制の提言を含めた講演を全国各地で行っている。

【講演要旨】
私は愛知万博で心停止になりました。その愛知万博がAEDを広めるきっかけになりました。愛知万博には103台のAEDが設置され、5人の方にAEDが使われました。残念なことにお一人の方は助けられませんでしたが、4人の方が元気に社会復帰しAEDの恩恵を受けました。これがきっかけになり、今では学校・商業施設・あらゆる公共施設にAEDが設置されるようになりました。

最初に少し、映像をご覧いただきます。

(動画のリンク先は下記)

https://www.jhf.or.jp/check/aed/movie

今回、皆さんにお伝えして、お願いしたいことは次の2点です。まず、心臓突然死を他人事だと思わないで欲しい。次に、もしそういう方が皆さんの前で倒れた時、率先して動く勇気を持って欲しい。この2点です。
 その行動の目的は、倒れた方が後遺症なく社会復帰することです。そのためにも、救急車が来るまでの約10分間で、心停止している心臓の代わりに皆さんの手で心臓マッサージをして脳に酸素を送る手助けをしてください。そして、現場にあるAEDを使用し心停止状態の心臓を正常な状態に戻します。できるだけはやくこれらのことを行い、救急隊員に引き継ぐことで、救命率が大きく上がるのです。
 実際の現場では、パニック状態になり、野次馬が集まり、大勢の人がいろいろな発言をします。大切なことは、安全を確保し、現場を静かにさせることです。患者に対するプライバーへの配慮も必要です。女性に対するAEDの使用率が低いことも問題視されています。また救急車をスムーズに誘導することも大切です。
 AEDを使用しなかった理由として挙げられることは、「AEDの場所がわからなかった」「AEDを使用するのに抵抗があった」「死戦期呼吸(あえぎ呼吸)を通常の呼吸だと思った」などです。「みんなが見るから恥ずかしい」「上手くできるか心配」「助けられなかったらどうしよう」という葛藤に打ち勝つ勇気を持ってください。1分1秒が命取りです。

※詳細は来年の「瑞陵会報2026」(令和8年7月発行)をご覧ください。

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